関西発　高野山 町石道ウォーキングバスツアー第2回 表参道

丹生都比売神社へ参る僧が、この岩の隙間に入り込もうとしていた蛇を杖でつついて驚かせたところ、神社からの帰り、白い大蛇がこの岩の上の木に巻きついて待ち構えていたそうです。その僧は自分の非を悟り、再度丹生都比売神社へ参り、ご祈祷をして戻ると、大蛇はすでに消えていたとのこと。それ以来、この岩で白蛇の姿を見ると「幸せになれる」と言い伝えられています。

仏教では生き物が死んだとき、それぞれの業により「地獄・餓鬼・畜生・阿修羅・人・天」の6つの世界に輪廻するとされています。その六道へ行く全ての衆生を救うのが六地蔵です。六地蔵の次に、袈裟掛石（けさかけいし）があり、弘法大師（空海）が袈裟を掛けたという伝説があり、この名で呼ばれています。石と石の間をくぐると長生きすると言い伝えられていることから「くぐり石」とも呼ばれています。そのすぐ先に押上石（おしあげいし）があります。弘法大師の御母公が女人禁制の高野山へ入山しようとしたときに激しい雷雨が火の雨となり、大師はこの岩を押し上げて、御母公をかくまったと伝えられています。

高野山の入口にある、一山の総門であり、結界のシンボルでもあります。開創当時は現在の地より少し下った九十九折谷（つづらおりたに）に鳥居を立て、それを総門としたようです。現在の建物は、宝永2年（1705年）に再建されました。左右には運長作の金剛力士像が安置されています。国の重要文化財にも指定されています。

壇上伽藍とは、弘仁７年（８１６）から弘法大師が世界で初めて建設を開始した真言密教の大伽藍で、壇上とは大日如来が鎮座する壇、または修行の道場を意味します。金堂、根本大塔、西塔、御影堂などの立ち並ぶ一画で、総本山金剛峯寺が管理しています。壇上伽藍は高野山真言宗発祥の地であり、高野山の本堂は、大伽藍にそびえる「金堂」が一山の総本堂になります。現在も重要な儀式のほとんどは金堂や根本大塔で行なわれています。現在の諸堂塔は大部分が江戸時代後期から昭和時代の再建で、今までに根本大塔は五度、金堂は七度も再建を繰り返し、昭和58年（１９８３）、東塔の再建をもって現在の伽藍配置となり、国宝の不動堂を含め境内の建造物は19棟を数えます。その中で、開創1200年の今年に伽藍中門が再建されます。